|
はじめに 親日ってなんだろう?
我々日本人の多くは、オーストラリアは「親日」であるというイメージを持っています。
今やオーストラリアは人口あたり世界で最も日本語を勉ぶ国(※1)であり、「陽気な」「フレンドリー」「温暖な気候」に象徴される過ごしやすい国である事から日本からの旅行者・留学生も多く、経済上の理由からもお互いを無視できない存在となっています。
しかしそうした良いイメージが先行するあまり、戦争の遺恨そして白豪主義と、両国を隔てた歴史について我々日本人は無頓着になりがちです。そして、オーストラリアは今日の現状を「果たしてこれで良いのか?」と常に悩み続けているのです。
地理的・経済的に、「その安全と繁栄はアジア太平洋の国々と共にある」という認識を持ちながら、同時にオーストラリア政府は英国的である事も望んでいます。「多文化主義」「アジア重視」の政策をとりながら、根幹としてのアイデンティティに関わる深い悩みがそこにはあります。
こういった現状を踏まえると、安易なイメージで「親日」という言葉を使ってはいけないと感じます。
全く異なる歴史的、文化的な背景を持ちながら、今やアジア太平洋で最も成功した二国間関係であると言われる程のパートナーシップを築いた日豪両国。その「過去」と「今」を繋ぐ歴史、そしてオーストラリアの抱える悩みを知る事は、この国に滞在する我々の礼儀と言えます。
※1:2005年度時点でのオーストラリアの日本語学習者は約38万人。その97%は中等過程(13~18歳。州によって多少異なる)の学習者で占められている。オーストラリア全体の約50人に1人が日本語を学ぶ事となり、世界一割合が高い。
文化交流の役割
こうした国民レベルでの理解を進めるにあたり、文化交流は非常に重要な位置を占めます。文化交流イベントとは単なる日本紹介といった側面だけではなく、まずは歴史的な背景があり、なにより今後両国を訪れる日本人、オーストラリア人にとっての理解を深め、今後もより親密な関係を築いていく、という重要な役割があります。
今後の国際文化交流の担い手となる今の若い方達にこそ両国の歴史を正しく理解していただきたいと考え、毎々テーマに沿って、「過去」と「今」の歴史的経緯を御紹介していきます。
※本特集は連載形式となっております。イベント情報と共に、定期的に記事をUPDATEいたします。
|